フットケアコラム(6)『室内で足の健康体操を!』

フットケア

2020.04.07

▲稲田知子(医療フットケアスペシャリスト・リンパ浮腫専門看護師、写真中央)、ゲスト出演 (理学療法士) :平野雄大(左)、白川聖也(右)

こんにちは。みんなのかかりつけ訪問看護ステーション・医療フットケアスペシャリストの稲田知子です。新型ウイルスの影響によって室内で過ごす時間が圧倒的に増えていますが皆さんいかがお過ごしですか? 今回は足の健康を保つための運動について考えてみたいと思います。

 

長期戦となりそうな自粛生活の中、私が心配しているのは、運動不足による「筋力の低下」と「循環障害」「心の健康」の3つです。

 

筋肉には静脈の血液を心臓に送り返すといった重要な役割があります。筋力低下によって循環障害を防ぐためにも、適度な運動と適切な栄養摂取が大切です。また、その運動によって、アドレナリンが出ることにより、人は明るい気分になります。運動するとすっきりした気持ちになりますよね。最近味わってますか?

 

「外に出られるようになったら運動しよう」では運動不足が進行してしまいます。外に出られるようなった時に楽しい時間が過ごせるよう、今日から毎日筋トレをしておくことをお勧めします。 

  

室内でできる足のトレーニング

 

先ずは、今後習慣化するために細かな状況設定から始めましょう。 

・ 1日の中のいつ?(例:洗濯を干した後、昼ご飯を食べる前、いつも見ている昼の番組が終わったら、など)

・ どこで?(具体的にお願いします。例:リビングの窓の前、寝室、テラス、など)

・何回ずつ?(理想は各10回ずつ)

・どこに記録する?(例:カレンダーに〇を書く、血圧手帳に記入する、など)

これらを最初に決めておくことが継続する秘訣です。 

 

次に、筋トレについて。 今回、鍛えたい筋肉にポイントを絞ったメニューをみんなのかかりつけ・理学療法士の平野さんと白川さんに考えてもらいました。 

 

トレーニング解説の前に、筋肉についてご説明します。
㋐腹横筋…おなかの奥にあります 腰回りや体幹を支えて姿勢を安定させる働きがあります
㋑大殿筋…歩いたり、椅子から立ち上ったりするときに働きます
㋒中殿筋・小殿筋…足を横に動かすときに使います。歩くときに片足ずつ脚を蹴りだすのでどちらかの足は一瞬浮いた状態になります。このときにふらつかないように中殿筋に力が入ってバランスを取ります
㋓大腰筋・腸骨筋…股関節をまげて脚を前に出すときや膝を曲げるときに使います。これらの筋力が弱まると歩行時に足が上がらなって、転倒することが増えてしまいます

㋔下腿三頭筋(腓腹筋外側・腓腹筋内側・ヒラメ筋)…腓腹筋は、つま先立ちの動作時や、膝を曲げるときに使われます。ふくらはぎのふくらみは腓腹筋のふくらみです。ヒラメ筋の幅は広く、ひざ下から足首の骨(踵骨)のみにつながっています。ですから、腓腹筋よりも足首の動きに強く作用します。また、ヒラメ筋にはもう1つ重要な「第二の心臓の機能」があります。ヒラメ筋は収縮によって下肢の血液を心臓に送り返します。収縮が弱かったり少なかったりすると、血液の循環が滞り、冷えやむくみといった症状に悩まされます。
㋕脛骨筋…下腿三頭筋とは逆の働きをします。つまり、つま先を上にあげる動作の時に作用します。この筋力が落ちると歩行時につまずいてしまいます。

 

ご理解いただけましたか? では、それぞれのトレーニング方法をご紹介します。 

 

㋐腹横筋を鍛える

腹式呼吸をします。仰向けに寝て膝を曲げます。足幅は体分開きます。

おなかをゆっくり膨らまして、ゆっくりへこませます。おなかにボールや丸めたタオルを乗せるとおなかの浮き沈みがわかりやすくなります。

▲1,2で吸う。1,2,3,4で吐く。お腹の上下の動きがポイント

㋑大殿筋を鍛える

※注意:腰の持病がある方は行わないでください

仰向けに寝ます。足を肩幅くらいに開いて、腰を持ち上げます。体が斜めの板状になるように腰を上下します。

▲膝と膝の間隔を肩幅くらいに開く
▲伸びた状態、まっすぐです。1.2.3.4で腰をあげ、
1.2.3.4 で下げる

 

㋒中殿筋を鍛える

※注意!腰の持病がある方は行わないでください

 

㋑よりも膝と膝の感覚を足の幅1個分狭くして同じ動きをします。 体が斜めの板状になるようにします。

▲足幅がポイント(肩幅より少し狭いくらい)
▲1.2.3.4で腰をあげ、 1.2.3.4 で下げる

㋓大腰筋、腸腰筋を鍛える

椅子に座って背筋を伸ばします。膝をおへその高さまでゆっくり上げます。
歩くように左右交互に行いましょう。

▲1.2であげる、3.4で下げる。黄色のラインがへそと膝と高さの目安です

㋔下腿三頭筋を鍛える

バランスよくできるように壁に軽く壁に手を付き、つま先立ちをします。この時、踵を高く上げていくイメージです。

▲1.2.3.であげて4.5.6で下げます。座ってもできます。動きは同じ(写真下)

㋕前脛骨筋を鍛える

椅子に座ってつま先をゆっくり上げます。力を入れて行うと足がつってしまうので足首に意識を集中して行います。

▲1.2.3で上げて、4.5.6で下げます

いかがでしたでしょうか。これらを10回ずつ行うと約25分で終わります。外出できずにストレスがたまりやすい日々ですが、このトレーニングを習慣化して、自粛明けしてときにも元気に外出できる健康状態をぜひ保ってください。