大学病院の元・副師長、
訪問看護師として地域から社会貢献するため、
ここを選びました

つくば店 管理者

石脇 庸伍

DATA
1985年生まれ/大学卒/前職:大学病院/管理者経験あり/訪看経験なし/和歌山県出身/2023年4月入職/2023年5月よりつくば店管理者

医療職になったきっかけと経歴を教えてください

高校3年生の時に参加した、障害児と関わるボランティア活動がきっかけです。子どもと関わる仕事をしたいと思うようになり、調べるうちに看護師の仕事に興味を持ちました。看護師をしていた母と、病院で人事をしていた父に相談しながら、将来の生活も考えて看護師の道を選びました。
地元・和歌山から北海道の大学に進学し、卒業後は神奈川県の大学病院に就職しました。その病院で2年半、救急を経験するために転職した急性期病院で2年半勤務しました。その後、つくば大学病院に転職しました。転職後5年目で副師長となり、教育や職場環境改善に携わりながら、計10年勤務し、かかりつけに入職しました。
私は看護師として、その人にとっての最善の生き方が何か、一緒に悩み、考え続けることを大切にしています。すぐに答えが出なくとも、ご利用者さま一人ひとりにとって味方であり続けたいと思います。

転職前に感じていたキャリアや仕事の「悩み」について教えてください

神経内科病棟で働いているとき、家に帰りたくても帰れない神経難病のある患者さまが多くいました。ご自身で動けないほとんどの方が、病院から施設に入所されていました。また、その病棟では2週間に一度入院される患者さまがおり、私はプライマリナースとして「2週間の在宅生活をどうすれば快適に過ごせるか」ということを一生懸命考えていました。こうした経験が、「在宅領域からその人の生活を支えたい」と思うようになったきっかけです。
その後副師長になり、HCUをはじめとしたさまざまな部署を1年~1年半ごとに異動しながら、離職予防やチームづくりに取り組んでいきました。新型コロナウイルス蔓延時は、専用病棟の立ち上げを行い、そこでの管理業務も行いました。それぞれの部署で期待に応える成果を上げることができ、看護師長のポストも遠くない状況でした。
しかし、さまざまな部署を短期間で異動するうちに、大きな組織のなかで働きつづけることに疑問を持つようになりました。将来は看護部長になるという目標もありましたが、違和感を抱えたまま働く日々でした。

転職前の「不安」について教えてください

前職の病院はずっと働くつもりで転職したのですが、外来に異動したことがきっかけで「在宅医療に携わりたい」という思いが強くなっていきました。外来に通う患者さまが、入院されている時とはまったく違う生き生きとした表情をしていて、何度も「入院中は辛かった」という話を聞いたからです。もちろん入院でしかできない医療やケアはありますが、そのときに「病院でできることには限界がある」と感じ、訪問看護師になりたいと思いました。
しかし、訪問看護師に転身するには葛藤がありました。私は弊社代表の藤野さんとは数年前からの知り合いで、何度も一緒に働かないかと誘われていました。かかりつけの組織としてのあり方や、フラットで自由闊達な組織風土、会社が一人ひとりの職員を大切にしていることに魅力を感じました。
しかし子どもが4人いることもあり、休日や給与のことなどを考えて大学病院にいたほうがよいと考えていました。また、かかりつけに転職して合わなかったとしても、前職の病院に戻るのは簡単ではありません。そのため、将来のことを考えると、なかなか踏み切れずにいました。

転職前の悩みや不安をどう乗り越えたのですか?

一番の決め手は当時小学3年生だった娘の言葉です。あるとき、車の中で「パパ、最近楽しそうじゃないよね」とふと言われたんです。その時僕の頭に浮かんだのは、仕事のことでした。仕事にやりがいを持てず、仕事を楽しいと感じていないんだなと思ったんです。
また、私は看護師として社会貢献したいと思っていましたが、病院に所属していると地域とフラットな目線を持てず、自己満足で終わってしまうような気がしていました。そうではなく、訪問看護師として地域に入り、もっと地域をよく見える場所から社会貢献したいなと思いました。
夜勤がないため夜勤手当分の年収は下がってしまいますが、身体のことを思えばむしろプラスと考えました。いざとなればかかりつけは副業もできますし笑。休日については、チームでフォローしあえる風土をつくれば、休日もしっかり確保してベターワークを実現できると思いました。
私の想いと娘の言葉で、転職したい気持ちが固まっていきました。私はやりたいことが決まったら突き詰めるタイプで、その性格を妻も理解してくれていて、「どうにかなるんじゃない?」と転職に賛成してくれました。前職で早く昇進していれば、最年少看護師長という可能性もありましたが、働きがいを大切にしたいと考え、訪問看護師になる道を選び、かかりつけに入職しました。

一歩を踏み出して、今どうですか?

転職には迷いましたが、決断したことは正解だったと思います。看護師として、管理者として、そして1人の人間として考えてみて、本当に充実しています。「仕事」という感覚はなく、「時間があったらこんなことをしたい」と常に考えています。日々学びがあり、ご利用者さまと関わること自体が楽しく、お互いの想いを言いあえる仲間がいます。プライベートももちろん楽しいですが、その境目がわからないくらい楽しく仕事をしています。娘も「最近はなんか楽しそうだよね」と言ってくれました。
つくば店をオープンしてから1年が経ち、最近では医療依存度が高く、ケアの難しい方のご依頼が増えてきました。たびたび「かかりつけさんだからこのご利用者さまのことを任せられる」と言われるようにもなり、少しずつ地域の方の力になれているように感じます。

転職には悩みがつきもので、悩むこと自体はよいと思います。ただ、自分が今どうしたいか、今後どうなりたいかをしっかりと見据え、そこに向けた道筋がどうあるべきかを考えることが大切です。いつでも答えは自分自身の中にあり、答えを出したのならそれが正解なのだと思います。ぜひ、自分自身の声を大切にしてください。

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