MBAホルダーの元看護副師長、
ビジョンを共にする仲間がいるから、
ここでステーションを立ち上げる道を
選びました

神戸店 管理者

松原 健治

DATA
1983年生まれ/大学院卒(MBA)/前職:国立大学病院/管理者経験あり/訪看経験なし/兵庫県出身/2022年4月入職/2022年5月より神戸店管理者、2023年5月より関西四国ブロック訪問看護部長を兼務

医療職になったきっかけと経歴を教えてください

小学校6年生の時、阪神淡路大震災を経験したことをきっかけに「人のためになる仕事、人を助けられる仕事につきたい」と思い、医療職に興味を持ちました。その中で看護師を選んだのは、人と深く接することができると思ったからです。
高校卒業後、金沢大学で看護を学び、地元の神戸大学病院へ就職しました。脳神経外科・神経内科病棟、ICU、消化器内科病棟を経験し、副看護師長として管理業務を行いました。そこで18年間働き、かかりつけに入職しました。

転職前に感じていたキャリアや仕事の「悩み」について教えてください

神戸大学病院では退院支援に積極的に取り組み、脳・神経疾患による麻痺や意識レベル低下がある方が、どうしたら自宅に帰ることができるか、一生懸命考えていました。しかし、「家に帰りたい」と希望していても、自宅の環境が整っていなかったり、周りのサポートが得られなかったりして、転院を選ぶ方も多くいらっしゃいました。また、短い時間でしか関われない「病院」という場所では、多職種で最善のサポートをしても、患者様の意思決定支援には難しさや限界があるとも感じていました。このような経験から、次第に「在宅で過ごす人の人生を支えたい」「もっとじっくり、その人の人生に向き合いたい」という想いが強くなっていきました。

転職前の「不安」について教えてください

その後副看護師長になり、5年ほどが経ったころ、経営学の知識をつけるために大学院に進学しました。その時点では大学病院で管理者を続けるのか訪問看護ステーションを立ち上げるのか決めていませんでしたが、大学院1年目が終わるころには、卒業と同時に大学病院を辞めてステーションを立ち上げると決心していました。
大学院の同期や教員から「なんで、自分でやらないの?」と驚かれました。経営者の知り合いにも「自分で立ち上げたほうが大きくできるし、稼げる」、「自分のやりたいようにできる」と言われました。「年収1000万円、軌道に乗らなくても借金を背負わなくていい」という条件で訪問看護ステーションを立ち上げないかというお誘いもありました。一人で立ち上げるにはリスクがありますし、立ち上げ1年目からこんな好条件で、思わず飛びつきたくなる気持ちでした(笑)。

転職前の悩みや不安をどう乗り越えたのですか?

かかりつけには、素晴らしい考え方や価値観、看護観を持っている仲間が全国各地にいます。それが、入職の一番の決め手になりました。私が一人で立ち上げていたら、小さい地域の中で、少人数のご利用者さまだけにしかケアを提供できない可能性がありました。しかし、私が一番大事にしたいのは「一人でも多くの方に最高のケアを届ける」ことだったのです。仲間と一緒に、神戸にかかりつけのビジョン・ミッション・バリューを広げる、そして全国に広げていく。この大きな夢を、転職前の見学や会社説明会を通じて、「ここならそれができる」とリアルに思い描くことができました。
さらに、自分自身が成長し続けられるとも思いました。一人で立ち上げても成長はできますが、仲間から得られる刺激は、何ものにも代えがたいものです。仲間と一緒に成長しながら、全国にビジョンを広げていくことができれば、お金以上に得られるものがあると思っています。私はいつも「自分がワクワクしたことをやりたい」という想いで、道を選択してきました。自分自身のビジョン実現とともに、自分が成長できることは、心からワクワクできる私にとっての喜びです。

一歩を踏み出して、今どうですか?

入職後、すぐに神戸店の立ち上げを任せてもらえることになりました。オープニングスタッフ3人とも訪問看護未経験だったので、ご利用者さまと地域に受け入れてもらえるか不安でした。しかし、大学病院でさまざまな部署で働き、組織マネージャーを経験し、MBAで経営戦略の分析やノウハウも学びました。「これだけやってきた人材はそうそうおらんやろ!」という変な自信がありました(笑)。
立ち上げの際は、オープニングスタッフの頑張りのおかげで想定以上のご依頼をいただきました。やれないこと、うまくいかないことには必ず原因があり、それを分析する方法をMBAでしっかり学んできたので、うまくいかないことがあっても、原因を分析して「絶対うまくいかせる!」という気持ちで取り組んでいます。

今後は、自宅にいながら病院と同じ質・スピードで医療・ケアを受けられる仕組みをつくっていきたいと思っています。これはフランスの在宅入院制度(HAD)という仕組みを参考にしており、この日本版をつくりたいと思っています。私はこれを神戸モデルと名付け、かかりつけの中はもちろん、地域の多職種も巻き込みながらその構築を目指しています。
スタッフと多くの体験をしながら、お互いに成長していける日本一の職場を目指します。

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