急性期病院勤務中に災害看護専門資格を取得
地域でより多くの人の役に立てればと
在宅領域に転身しました

須賀川店 管理者

大久保 貴仁

DATA
1978年生まれ/大学院卒/災害看護専門看護師/前職:急性期病院/管理者経験あり/訪看経験なし/岐阜県出身/2021年9月入職/2022年6月より瑞穂店管理者、2023年12月より須賀川店管理者 兼 訪問看護部長代理

医療職になったきっかけと経歴を教えてください

看護師になると決めたのは、高校生の時に受けた半月板の手術がきっかけです。当時、男性看護師はまだ少数でしたが、自身の手術経験を活かし、痛みや運動ができない不甲斐なさなど患者さまに共感できると考え、看護師になろうと思いました。看護専門学校を卒業後、愛知県一宮市にある急性期病院に入職しました。救命救急センター、手術室、脳外科病棟、透析センターなど多くの部署を経験するなかで、院内外の災害対策に多く関わってきました。2010年に日本DMATの隊員になり、2018年12月に災害看護専門看護師の資格を取得しました。その病院では計21年勤務し、2021年9月にかかりつけに入職しました。
看護師として大切にしていることは、その人を大切に思い、興味・関心を寄せ、心から知ろうとし、寄り添うように関わることです。前職でHCUに勤務していた時、患者さまの部屋に連日付き添う奥さまがいらっしゃいました。私は、その患者さんをもっと知りたいと思い、椅子を持ちその部屋でお話をお聞きしました。すると奥さまから「椅子に座ってゆっくり話を聞いてくれる人は、今まで誰もいませんでした」と涙を流しながら、ご本人の歴史をお話されました。これが「患者さま、ご利用者さまの人生にもっと寄り添いたい」という想いが芽生えたきっかけです。
もう一つ、看護師は「健康と生活の両側面からアセスメントできる専門職である」という前提のもと、学び続けることも大切にしています。チームで学び合い、認め合い、磨き続けながら、スキルアップしながらやりがいを感じられる職場を目指しています。

転職前に感じていたキャリアや仕事の「悩み」について教えてください

前職では、「家で過ごしたい」「家で最期を迎えたい」と言いながら、自宅に帰ることができない多くの患者さまを見てきました。ただそれは「寝たきりの人は家に帰れない」という価値観が社会全体にあったからだと思っています。当時、在宅看取りという言葉もよく耳にするようになっていましたが、患者さまの希望に応えられないことをいつも辛く感じていました。しかし、これから人口動態が変化して病床数も減っていくと、社会の価値観もどんどん変わっていくだろうと考えました。そして在宅医療や訪問看護がもっと充実すれば、多くの方が自宅に帰ることができるようになるはずと思い、在宅領域に進みたいと考え始めました。
また災害看護専門看護師として、講演や講義など地域で活動するチャンスをたくさんいただいていました。いずれはその「資源」を地域に恩返ししたいと思っていたこともあり、それが発揮しやすい訪問看護師になりたいと思うようになりました。

転職前の「不安」について教えてください

僕は看護連盟の活動を通じて、弊社代表の藤野さんと知り合いました。藤野さんから話を聞くうちに、その人の希望を大事にするというビジョンに共感し、かかりつけに興味を持ちました。家族やペットと過ごしたり、好きなものを食べたり、病院という枠組みでは難しかったことが、かかりつけならできると思いました。
しかし当時は、災害看護専門看護師として病院でキャリアアップを目指す道もありました。これまでの病院でのキャリアを捨てていいのか、という葛藤もありました。さらに、病院で幅広く看護を学んできたとはいえ、果たしてそれが本当に通用するのかという不安もありました。

転職前の悩みや不安をどう乗り越えたのですか?

葛藤や不安はありましたが、僕の経験や能力を考えた時、病院より地域の方がもっと多くの人の役に立てると思いました。僕は目の前にいる人に看護をすることが重要で、それは病院であっても在宅であっても変わらないと思っています。場所によってやることが変わらないなら、僕の能力を最大限生かせると思えるところで働きたいと考えました。「僕のしてきた看護が間違っていなかったか、地域に出てみて試したい」という想いもあり、かかりつけへの転職を決めました。

一歩を踏み出して、今どうですか?

ここでは、管理者と専門看護師としての活動をどちらも続けています。マネジメントとスペシャリティは相反しますが、両立することでより僕の能力を発揮できています。災害看護専門看護師として、災害看護に関する研修会や講習会などを積極的に行っています。かかりつけのBCP(事業継続計画)の策定も行い、依頼があれば他ステーションの策定も手伝っています。
訪問看護の道を選んだことで、より多くの人の役に立てていると思えるようになりました。これからは災害時に備え、病院との連携を強化していきたいと思っています。
2023年12月からは、須賀川店(福島県須賀川市)の所長も兼任しています。須賀川店の周辺には、人口減少・高齢化が加速的に進行する過疎地域が多く存在します。日本の将来の人口動態を反映するこの地域で、地域課題にチャレンジしたいと考え名古屋から移住しました。この地域での社会貢献として、自宅での生活を選ぶ方の生きる力や生きる希望を一緒に見つけていきたいと思います。
また医師が不足する地域では、専門・認定看護師やNP(診療看護師)など専門職の活動が地域を守ることにつながると思います。須賀川の地域で、訪問看護における専門看護師の役割を、自身の経験と交えて発信していきます。

自分から発信して新たなことに取り組みたい人は、かかりつけでの仕事に向いてると思います。管理者を希望して入職すれば、管理者になるための研修や教育を受けることができ、応援してくれる環境があります。ジェネラリストを目指すなら、独自のラダー教育で成長できます。自分自身で何かにチャレンジしたい人は、ぜひかかりつけを見てみてください。

エントリーする