「人生の最期を家で迎えたい」と願う
すべての人の望みを叶えられる社会、
それを実現することが私の夢です

愛知東ブロック 訪問看護部長

吉村 元輝

DATA
1983年生まれ/大学院卒(入職後)/前職:大学病院/管理者経験なし/愛知県出身/2018年4月入職/2019年4月より緑店管理者、現在は12店舗を統括する訪問看護部長

医療職になったきっかけと経歴を教えてください

高校時代、サッカーの怪我で入院したことがきっかけです。担当の看護師さんに「あなた看護師向いてるんじゃない?」と言われました。私が他の入院患者さんと話す様子を見て、そう感じたそうです。それまで将来のことは全く考えていませんでしたが、その言葉で看護の仕事に興味を持ち、看護師を目指しました。専門学校を卒業後、藤田医科大学病院(当時の藤田保健衛生大学病院)に入職し、脳神経外科病棟で3年、呼吸器内科病棟で2年、緩和ケア病棟で4年勤務しました。2012年に緩和ケア認定看護師の資格を取得し、最後の3年は病棟を離れ緩和ケアチームで活動しました。その後、系列病院の訪問看護ステーションで9カ月働き、約13年の勤務を経て、2018年にかかりつけに入職しました。2年目に緑店の立ち上げ所長となり、現在は訪問看護部長を務めています。勤務をしながら大学院に通い、「非がんの緩和ケア」というテーマで修士を取得しました。
看護師として大切にしていることは、「この人に出会えてよかった」と感じてもらえるような看護を届けることです。人生の最期を迎えようとしている人が、最後に関わる看護師を「良い人だった」と思うことができれば、その幕引きは決して悪いものではないと思います。
また、その人からの人生の学びを次の世代につないでいくことも大切にしています。私たちは患者さま、ご利用者さまから人生を学ぶ機会をいただいています。それを伝えていくことは、その人の命に関わらせていただいた責任であり、さまざまな場所でその学びを伝えています。

転職前に感じていたキャリアや仕事の「悩み」について教えてください

大学病院の仕事はとても充実し、やりがいも感じていました。一方で「家に帰りたい」と願う方の希望に応えられていないのではないか、という違和感がありました。それは、脳神経外科病棟で勤務していたときの、あるご利用者さまとの関わりで明確になりました。
その方は「治らないなら家に帰りたい」と希望され、在宅看取りの方向で話が進んでいました。当時は在宅看取りの体制が地域に整っておらず、私は在宅療養に必要なものを用意しながら、必死で退院調整をしていました。しかし、準備が間に合わず、その方は病院で最期を迎えられました。そのときに、ご家族から「これでやっと帰れます」と言われたんです。この一言で、「自分一人必死にあがいても、患者さまの希望を叶えることはできない。伝える力を身に着け、同じ志を持つ仲間を集める必要がある」と感じ、緩和ケア認定看護師の資格を取得しました。

転職前の「不安」について教えてください

緩和ケア認定看護師として活動しながらも、いずれは在宅ケア、訪問看護の道へ進みたいと思っていました。多くの人の「家に帰りたい」という希望を叶えるためには、訪問看護師になり在宅領域から支えるしかないと思ったからです。
理想の訪問看護のあり方を見つけるため、書籍や論文を調べたり、講演会に出かけたりしながら考え始めました。そんなとき、弊社代表の藤野さんと出会いました。以前からかかりつけの存在は知っていましたが、藤野さんから話を聞くうちに、その考えに共感しました。かかりつけの掲げるビジョンは、私が理想とする訪問看護とほぼ一緒で、かかりつけで一緒に働くことも考えるようになりました。
ただ病院の外で看護を届けることは初めてで、それまでに身につけた技術や経験が役に立つのだろうかと不安もありました。
また前職の病院は病床数1,000床を超える大学病院であり、それと比べると訪問看護ステーションの組織は小規模です。将来のため、保障や家族の安心についてしっかり考えるよう、父親からも助言をもらいました。

転職前の悩みや不安をどう乗り越えたのですか?

私の夢は、「人生の最期を家で迎えたい」と願うすべての人が、その望みを叶えられる日本社会を実現することです。デザインケアは「すべての人々が豊かに暮らせる社会を実現する」というビジョンを掲げており、そのビジョンを実現すれば私の夢も達成できると思いました。
不安はありましたし、男性看護師の認知度はまだまだ高くありませんでした。しかし、藤野さんに「胸を張って妻や子どもたちに『私たちは看護のプロである』と言えるような仕事をしよう」と言われたことが決め手になり、かかりつけへの入職を決断しました。

一歩を踏み出して、今どうですか?

ここでは、マネージャーも若手看護師も、一人ひとりが自分の頭で考えて、自ら周りに働きかけて行動しています。看護の進展に不可欠な「看護師の自立」を実践する風土がすでに出来上がっていました。
かかりつけなら、「日本のどこにいても最高のケアを受けられるようにする」というビジョンをきっと実現できると信じています。壁は高いかもしれませんが、「どうせやるなら仕事も人生も前向きに目一杯楽しむ」という気持ちで仕事に取り組んでいます。

かかりつけに興味がある方の中には、「よい看護を届けたいのに、それができていない」と悩む方もいるかもしれません。ただ、そう思うこと自体はとても素敵なことだと思います。さまざまな要因で「よい看護」ができないのであれば、「もっとよい看護をしたい」という気持ちを大切に、一歩踏み出してみるとよいと思います。

新しいことへの挑戦は、誰でも不安に感じると思います。みんなのかかりつけのスタッフは、誰もが「その人にとっての最高のケアを届けたい」という同じ目標に向かう仲間です。最高のケアを届け、その連鎖を地域に広げ、日本中どこにいても豊かに暮らせる社会を一緒に実現しましょう。

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