『善い仕事フォーラム』のエントリーから学んだ訪問看護の深さ

こんにちは。みんなのかかりつけ訪問看護ステーション名古屋（名古屋市中区）の看護師・髙橋（写真・手前）です。みんなのかかりつけでは、「最高のケア」を追求するための『善い仕事フォーラム』という全社イベントがあります。今回は、『善い仕事フォーラム』の取り組みと、私が学んだことをご報告します。

善い仕事フォーラムとは？

当社では、在宅医療・訪問看護における「最高のケア」を追求するため、半期に一度『善い仕事フォーラム』を開催しています。訪問スタッフが「善いケア」の症例を共有し、さらなる質の向上を目指す全社プロジェクトです。ご利用者さまへの「善いケア」のノウハウを全社でナレッジとして共有します。

14回目となる次回、私は「新人部門」にエントリーすることになりました。11月の開催に向け、約90日前からケアのノウハウをまとめる「エントリーシート」の準備が始まります。店舗スタッフと何度も話し合い、ケアのノウハウをまとめ上げるプロセスは、自身のケアを見つめ直し、ケアの質を高める貴重な機会です。

※『善い仕事フォーラム』の詳細はYouTube動画をご参照ください
・在宅医療における「善いケア」とは？「最高のケア」を磨き続けるデザインケアの仕組み

「壁設定」の挑戦

「壁設定」とは、ご利用者さまの「壁」、つまりご利用者さまが抱える課題や苦しみの本質を見極め、それを乗り越えるためのケアを考えるプロセスです。例えば、「歩きたいのに歩けない」といった身体的な課題や、「家族と過ごす時間が減った」といった精神的な課題を「壁」として明確にし、ケアに活かします。この「壁」を意識することで、単なる健康管理を超えた、心に寄り添えるようなケアにつながっていくと私たちは考えています。

前回の『善い仕事フォーラム』では、他のスタッフの症例発表を聞き、「エントリーするにはハードルが高い」と感じました。前職の病院勤務では疾患や症状の観察が中心だった私にとって、ご利用者さまの本質的な苦しみを掘り下げる視点が不足していたと気がついたからです。しかし、他のスタッフは、ご利用者さま一人ひとりに向き合い、本質的な苦しみを掘り下げ、ケアにつなげていました。その視点に気づいてから、私も訪問時に「壁」を意識するよう心掛けました。

そして、9月に実際にエントリーシートを書きましたが、とても悩みました。私は新人部門へのエントリーとして、「壁設定」までをシートに記載したのですが、ご利用者さまの価値観や生活背景、現在の状況とのギャップ、その「壁」を言語化するのが本当に難しく感じました。ご利用者さまが大切にすることや苦しみを言葉にするには、ご利用者さまへの深い理解が必要ですが、私が描いたご利用者さま像にはまだ知らない部分が多かったからです。しかし、だからこそ「ケアの質をさらに高めたい」という思いが強まりました。

エントリーシートを書き終えての気づき

エントリーシートを書くことを通じて、ご利用者さまの本質に向き合う大切さを改めて実感しました。一人のご利用者さまについてじっくり考える時間は、日々の訪問では気づきづらい、些細なニーズにも気づくきっかけになりました。新しいご利用者さま像を描けたことで、今後のケアやコミュニケーションに活かせるスキルにもつながったように感じます。

また、エントリーシートは一人で書き上げるものだと思っていましたが、名古屋店のスタッフが支えてくれました。悩んだときには相談に乗ってくれて、異なる視点からの意見やアドバイスがアセスメントのヒントにつながりました。店舗一丸となって取り組む中で、名古屋店の温かさやチームワークの強さを改めて感じ、大変ながらも充実した時間を過ごせました。

訪問看護の魅力とこれから

『善い仕事フォーラム』は、エントリー後の評価はもちろん、そこまでに至るプロセスがとても重要だと感じました。ご利用者さまの「壁」を考え抜き、仲間と協力してケアを磨く時間は、私にとって大きな成長のきっかけとなったと感じます。入職して半年ですが、こうした機会を通じて、看護師としての姿勢やご利用者さまへの向き合い方を学びました。このように、仲間と共に成長していける風土があることは、かかりつけの大きな魅力です。

これからも「善い仕事フォーラム」のような機会を活かし、一人ひとりに寄り添えるような「善いケア」を届けていきたいと思います。訪問看護に興味のある方、ぜひ一緒に「善いケア」を追求しませんか？

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＜お知らせ＞
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