Recruit

笑顔をどれだけ
増やせるか?
それが私の、
働く喜び、働く力。

藤原 加奈
セラピスト

国際医学技術専門学校 作業療法学科卒(2010年3月)。回復期のリハビリ専門病院を経験後、退院後も長く患者さんに寄り添うケアがしたいと転職を決意。デザインケアの見学会に参加し、スタッフ同士の仲の良さ、ナースもセラピストも変わらぬスタンスで利用者様に向き合う姿に惹かれて入社する。2019年、結婚。10連休を取得し、フランス、イタリアを巡る新婚旅行へ。※肩書等は取材時のものです

車の運転ができたの!
その嬉しそうな笑顔が、
私に「Better Care」の
大切さを教えてくれた

その利用者様と藤原が初めて出会ったのは、すっかり肌寒くなった2年前の暮のことだった。60歳代の女性。旦那さんと息子さんとご自宅暮らし。家事も仕事もバリバリこなす彼女を突然の脳梗塞が襲い、左半身麻痺になってしまったのだ。料理も洗濯も運転も、今まで普通にできたことが何一つできない。病院ではうつ状態と診断されていた。「気分の落ち込みが激しかったですね。最初の頃はリハビリの最中にずっと泣いていらっしゃることもありました」。藤原が思ったのは焦ってはいけないこと。そして何か、前向きになれるきっかけを見つけること。「まずはじっくりお話をお伺いすることにしました。彼女の中で何が大事で、何が生きがいなのかを一緒に探したいと思ったんです」。そこで浮き彫りになったのは、「妻・母としての私」「家族のために家事をする自分」であった。「今は家でやれることが全然ない、とおっしゃるんですね。こうなる前は、家のことは全部私がやってきたのに、と。つまり家事ができるようになれば、きっと体も、そして心も回復に向かっていける。そんな思いでプランを考えました」。重点的に取り組んだのは左手のリハビリ。動く範囲を徐々に増やしていく訓練を繰り返し行った。茶碗に手を添えて食事をする。一緒にやってみて、できなくても根気よくお付き合いする。大根を左手で押さえて切る。できたら一緒に喜ぶ。その繰り返し。彼女はみるみる回復していった。「『できることが増えちゃったんで、やらなきゃね』って、笑顔でため息をつかれて(笑)。今では車の運転もされるようになり、よくお友達とランチに行かれていますよ」。『私たちのケアは、生きる力と希望を創るためにある』。このデザインケアが唱える「Better Care」の考えを、藤原が体感した瞬間だった。

セラピストとして成長できる
機会の宝庫。
ここで、私の視野は大きく拡がった!

「私がここで担当させていただいた利用者様は0歳から103歳。病院勤務時代は40歳から60歳くらいの方がほとんどでしたので、この幅広さってすごいと思いませんか?」。この点だけでも自分の視野が大きく拡がったと藤原は言う。「あとは何より、実生活の中で利用者様と一緒にリハビリに励めること。実際にお宅に伺うと、本当に気づきや学びが多いですね」。彼女は続ける。「例えば家での入浴。ちゃんとお風呂のフチを跨げるのかどうか、それは実際に伺ってみないとわかりません。例えば近所のスーパーでの買い物。地図では距離はわかるけど、歩道や道路の状態まではわかりません。だからこそ、利用者様のリアルな生活の場に入っていってケアすることが大事なんです」。高校2年生の時、祖母のリハビリに向き合ってくれた作業療法士の方がいた。彼は祖母に笑顔を戻してくれた。藤原とセラピストという職業との出会いである。以来、藤原の働くテーマは「笑顔を増やす」こと。「それはこれからもきっと変わらないです」と、笑顔で語ってくれた。