20代で手術室から訪問看護へ「若いうちに訪問看護にきたからこそ人として成長できた」(社員インタビュー#27)

訪問看護ステーション有松

2024.12.21


こんにちは、みんなのかかりつけ訪問看護ステーション・広報の野田(看護師)です。今回は有松店(愛知県豊明市)のスタッフインタビューをお届けします。


登場するのは、2022年10月に有松店に入職した佐々木悠介(ササキ・ユウスケ)さんです。愛知県の大学病院の手術室で5年間勤務し、かかりつけに転職しました。28歳で訪問看護に進んだ佐々木さんに、なぜかかりつけに入職したのか、転職時の葛藤、かかりつけの魅力について、話を聞きました。

これまでの経歴を教えてください


昔から人と接する仕事をしたいと思っていました。親戚に看護師がいて、その働く姿に影響を受けたこともあり、看護師になろうと決めました。看護大学を卒業後、愛知県の大学病院に入職しました。最初に配属された手術室で5年間勤務し、28歳でかかりつけに転職し、2年が経ちました。

訪問看護に興味を持ったきっかけを教えてください


手術室は覚えることが多く、勉強になる刺激的な毎日でした。5年が経つころ、他の道へ進むことを考え始めました。手術室では「手術」という人生の大きなイベントに携わっていながらも、実際に患者様やご家族と関われる時間はあまりなく、「もっと患者さまやご家族の心に寄り添えるような看護をしたい」と悩んでいたからです。また、その頃は、私の中で「十分に学ぶことができた」と感じられるタイミングでもありました。


病棟へ異動する選択肢もありましたが、学生の頃から訪問看護に興味を持っていて、医療中心ではなく生活を中心に支えたいという思いもあり、訪問看護への道を考え始めました。

かかりつけを選んだ理由はなんですか?


お世話になっていたNP(診療看護師)の先輩に相談したところ、紹介してくれたのが代表・藤野さんでした。訪問看護は実習でしか経験したことがなく、どんなことができるのかイメージできていませんでしたが、藤野さんからかかりつけの話を聞くうちに、ハピプロや旅行支援など枠にとらわれない看護を実践していることに興味を持ちました。


私は以前からカメラマンの活動もしていて、看護だけにとらわれずに働いていきたいと思っていました。かかりつけなら副業としてカメラマンの活動もできますし、「ここなら私が考える看護師像を目指せる」と思いました。


私の地元が田舎なので、「最高のケアを日本全国に広げたい」というビジョンにもとても共感し、かかりつけへの入職を決めました。

訪問看護で大変だったことはありますか?


病棟経験がなかったので、オムツの中のパッドの当て方もわからず、個別で覚えることも多く大変でした。基本的に訪問は1人で行うので孤独な仕事だと思っていましたし、手術室しか経験していないコンプレックスもあり、やっていけるかとても不安でした。


でも、実際に働き始めてみると、チャットや電話ですぐに相談できる体制があり、先輩がしっかりとフォローしてくれました。ご利用者さまのケアについて話す機会も多く、一人ではなく「チームでケアをしている」という安心もありました。


最初は同行訪問から始まり、先輩のケアを現場で見ながら必要な技術や知識を学びました。徐々に単独訪問の回数を増やし、完全に独り立ちしたのは3カ月目でした。安心して働ける職場だったので、今までやってこれたと思います。

▲優しくフォローしてくれる有松店の仲間たちです

かかりつけに入職してよかったことを教えてください


前職では、忙しさもあり、どうしてもいかに早く業務を進められるかに目がいってしまっていました。かかりつけでは、スタッフみんなが熱量を持って、ご利用者さまを第一に考える風土があり、ケアに集中できる仕組みもあります。


ご利用者さまとの関係においても、私を看護師さんではなく「佐々木さん」として覚えてくださっていて、人と人との関わりを学ぶ場面が多くあります。もちろん知識や技術は必要ですが、ご利用者さまとの関わりの中で成長できることがやりがいです。

カメラマンの仕事は、かかりつけでのケアにどう影響しますか?


私はカメラマンとしてもお仕事をしていて、休日を使って活動しています。多くはSNSからのご依頼で、結婚の前撮りや家族写真などを撮影しています。看護師とカメラマンのお仕事には、共通点があります。看護師は、病気や人生の最後のような、人生のつらい場面に関わることが多くあります。一方で、カメラマンは結婚や出産など、人生の幸せな場面に関わることがほとんどです。人生のつらい時や幸せな時、さまざまなステージに立ち会うことができるからこそ、その人の人生をよりイメージできるように感じます。


また、カメラマンの仕事では、家族の思いを聞く場面も多くあります。がんと診断された方からご依頼があり、写真を撮影しながらご家族の思いを聞くこともありました。ご家族の思いを知るカメラマンの経験が、看護師としての家族ケアにも生かせていると思います。

▲カメラマンとしての活動中。結婚式の前撮りを撮影させていただきました

印象的なエピソードがあれば教えてください


数え切れないほど思い出がありますが、写真を撮っていてよかったと思った出来事があります。有松店で訪問していた、あるご利用者さま(以下、Fさまとお呼びします)のことです。Fさまは奥さまと2人暮らしをされていました。お二人は写真を撮る機会がめったになく、私は何気ないタイミングでお二人の写真を撮影しました。その1週間後、Fさまがお亡くなりになりました。


後日、私はお二人の写真を額に入れてご自宅に行き、奥さまにお渡ししました。すると奥さまは「もうこれだけで生きていけるわ」ととても喜んでくださいました。何気ない日常の写真でしたが、それを大切に思ってくださって、写真を撮っていてよかったと思いました。


ご高齢の方の世代では、普段から写真を撮る機会は少ないと思います。だからこそ私は、訪問中に写真を撮るようにしています。その写真がその方の支えになったり、お互いの感謝を伝えるきっかけになったりすれば、という思いでいつも撮影しています。

20代で訪問看護に転職してよかったことはありますか?


今でも「もっと病院で長く働くべきだったのではないか」と思うことはあります。転職するときも、周囲から「病棟を経験しておいたほうがいいんじゃないか」と反対されることも少なくありませんでした。


ただ、20代で訪問看護を選んでよかったのは、在宅の場だからこそ人としてより成長できることです。知識や技術だけでなく、人として未熟な状態では、地域で暮らすご利用者さまやご家族の生活を支えることはできません。また、病院では決まったルールの中で看護を行いますが、在宅にはそれがありません。自由度があるからこそ難しく、より成長していけると思っています。


「訪問看護はもっと経験を積んでから」と思う人も多いと思いますが、私は20代という若さでかかりつけにきたからこそ、人としてより成長できたのではないかと思います。

今後のビジョンを教えてください


カメラマンとしての活動もしながら、ご利用者さまが幸せに生きていくことを後ろから支えられるような看護師になりたいと思っています。一番近くでその人の人生に関わることのできる看護師という立場で、地域の多くの人が幸せに暮らしていけるよう、成長しながら支えていきたいと思います。

かかりつけに興味がある若手看護師へ一言


自分自身の強みに向き合い、それを生かせるのが訪問看護だと思っています。その強みが、たとえ看護に直接関係することでなくとも、それを伸ばして生かせる環境がかかりつけにはあります。また、やりたいことを支えてくれる風土や仕組みもあります。


若いうちに訪問看護に来たからといって、看護師として学べない、成長できないということはありません。かかりつけには学び続けられる教育がありますし、訪問看護には訪問看護でしか学べないこともあります。


自分がどういう看護師を目指したいのかを考えて、もし訪問看護に興味があるなら、一歩を踏み出す勇気を持ってほしいと思います。


佐々木さん、ありがとうございました!
インタビュー:広報担当・野田


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