訪問看護認定看護師のチャレンジ。「ここが私の最後のステージ。訪問看護の集大成にしたい」(社員インタビュー#19)
訪問看護ステーション四日市
2022.08.30
こんにちは、みんなのかかりつけ訪問看護ステーション・広報の野田(看護師)です。今回は女性管理者のインタビュー記事をお届けします。
登場するのは、2021年5月に入職し、同年11月の四日市店オープンから所長をつとめる松下容子さんです。訪問看護師歴20年以上、訪問看護認定看護師でもある松下さんに、なぜかかりつけに入職したのか、かかりつけの魅力は何か、話を聞きました。
これまでの経歴を教えてください
子どもの頃から父に「人の役に立つことをしなさい」と言われて育ち、父からの勧めをきっかけに看護師になりました。三重県四日市市の看護学校を卒業後、四日市市内の病院で5年、津市内の病院で2年働き、訪問看護師になりました。
20年以上訪問看護に携わり、3つの訪問看護ステーションで勤務経験があります。3つ目のステーションでは、8、9年ほど管理者をしました。その後、教員として看護学校に1年勤め、かかりつけに入職しました。
訪問看護師になった理由を教えてください
病院で働いていた時、院内の訪問看護の部署にいた師長から、訪問看護の話をよく聞いていました。その時から、訪問看護に興味を持っていました。当時から、病院に行けない人のところに看護師が訪問するサービスは必要だと思っていましたし、私もいつか訪問看護をやってみたいという気持ちがありました。
訪問看護の道に進むと決めたのは、2つ目の病院で転職活動をしていた時でした。三重県看護協会のナースセンターから、偶然、訪問看護ステーションを紹介されたことがきっかけでした。
経験が浅く自信はありませんでしたが、当時の三重県看護協会長から熱心に勧められ訪問看護への転職を決めました。
なぜ訪問看護認定看護師になろうと思ったのですか?
訪問看護師になって10年くらい経ったころ、もっとこの仕事を極めたいと思うようになりました。
訪問看護師の力量は、ご利用者さまの療養生活やQOLに少なからず影響します。よいケアを提供できれば、その方の生きる希望を支えられることもあります。でも私たちにスキルがなければ、それは到底無理なことです。
また、在宅で過ごすご利用者さまは、訪問看護師を簡単には変えづらいですよね。私たちは体調を崩した時、好きに病院を選べます。でも在宅では、家に来る看護師を受け入れるしかないこともあります。訪問看護師の知識や技術によって、ケアに差がついてしまうと感じたんです。
なので、もっと勉強して知識や技術を身に着けたいと思いました。それが訪問看護認定看護師になろうと決めた理由です。
かかりつけに入職した経緯を教えてください
3つ目の訪問看護ステーションで長く管理者をしていましたが、体調を崩してしまい退職しました。退職直前に、もともと知り合いだった藤野さん(代表)から「一緒に訪問看護をしませんか?」と誘われました。
その時点では次に働く看護学校への転職が決まっていたので、一度は断りました。看護学校とは1年間だけの契約だったので、1年して退職しました。その退職直前にもう一度藤野さんから誘われて(笑)。少し悩みましたが、新しいことに挑戦してみようと入職を決めました。
かかりつけに入職した決め手はなんですか?
地域で暮らす人の生活を豊かにしたい、その人たちの生きる希望や生きる力をサポートしたい、という会社のビジョンに共感したからです。訪問看護を社会インフラにするという目標や、地域に貢献するという想いにも共感できました。
若い人にもっと訪問看護の世界に来てほしいという、私自身の想いも関係しています。訪問看護業界全体をみると、スタッフの高齢化は否めません。
一方で、かかりつけでは若いスタッフが多く、キラキラと輝いて見えました。ホームページにはご利用者さまと一緒に写った写真がありますが、昔はご利用者さまと写真を撮るなんて考えられないことでした。
また、私の経験してきたステーションと比べ、規定や規約に縛られず、自由にできることが多くあります。
そういった会社の考えに、新しい感覚を覚えました。これから超高齢・多死社会を迎えるにあたり、かかりつけのように新しい感覚で若い世代が活躍するステーションがもっと必要だと思いました。
私は年齢が年齢なので、現役で働ける期間はもう長くありません。かかりつけが私にとって最後のステージで、訪問看護の集大成だと考えています。ここで挑戦して、私の訪問看護師としての幕を閉じようと思ったんです。
若くないという不安もありましたが、挑戦してみようと思い入職を決めました。
入職してかかりつけをどう感じましたか?
会社が掲げるビジョンが、揺るぎない信念のもとにスタッフに共有されていると感じました。
決められたことをやるのではなく「どうしたら目の前のご利用者さまの生活が豊かに、そして笑顔になれるのか」をスタッフ全員が常に自問自答し、そして自己研鑽を積みながらケアを提供する。この方向性が、かかりつけ全体に浸透していると思いました。
かかりつけ独自の教育ラダーがあり、ご利用者さまに最高のケアを届けるための仕組みもあります。私たちも常に進化し続ける必要性を感じますし、困った時のサポート体制も整っているので安心です。
「最高のケアを届けるために、まず私たちがハッピーであるべき」というベターワークを大切にしているところも魅力ですね。小さい規模で少ない人数のステーションは、どうしても忙しくなりがちです。
忙しくてもとにかく訪問に行く、するとスタッフは疲弊し不安にもなる、そしてミスが発生するという悪循環が起こります。これは私も過去に経験してきたことです。
かかりつけは規模も大きく、スタッフも大勢います。休みをしっかり取ることや、マネージャーからのスタッフへの声掛けなど、働きやすさに配慮されていると感じます。
入職して大変だったことはありますか?
電子カルテや情報共有のためのチャット、オンライン会議など、ICTツールに慣れるのが大変でした。これまで紙カルテしか経験がなくパソコンも得意ではなかったので、最初に配属された名古屋店で必死に覚えました。
四日市店のオープンスタッフも、2人とも電子カルテ未経験でICTツールが苦手でした。ミスがないように私たち独自のマニュアルを作り、お互いに確認し合う工夫をしました。便利な機能を発見すれば情報共有し、ミスをすれば励まし合っていましたね。
新しいことを覚えるのは年齢を重ねるほど大変になっていきます。若いうちならすぐに覚えられたことでも、どんどん理解がついていかなくなるのを身に染みて感じます。
ただ、私たちがやるべき仕事の本質は、最高のケアを届けることです。電子カルテやチャットも覚えないといけませんが、やるべきことの一部にすぎません。だから、ゆっくりでも少しずつ覚えていけばいいと考え、2人にもそのように伝えました。
慣れるまでつらい期間がありましたが、その期間を超えると面白みを感じるようになりました。1つでも新しいことを覚えるという楽しみも実感しました。慣れると本当に便利なので、今は覚えて良かったと思っています。
四日市出店の想いを教えてください
四日市は看護学校の頃からのゆかりの地で、管理者をしていた訪問看護ステーションも四日市市内にありました。第二の故郷のような場所です。連携する医師やケアマネージャー、病院の地域連携室のスタッフには、昔からの知り合いが多くいます。
四日市から離れていた期間はありますが、皆さんちゃんと覚えていてくれました。温かく「おかえり」という感じで迎えていただけたので、本当にありがたかったですね。この地域でもう一度訪問看護ができることにワクワクしていますし、嬉しい気持ちです。
訪問看護認定看護師の強みは何ですか?
私はいつも、訪問看護認定看護師は他の訪問看護師と何が違うのか考えています。例えば皮膚・排泄ケアや摂食・嚥下障害看護などの認定看護師であれば、その道のスペシャリストだとわかりやすいですよね。
でも訪問看護認定看護師は、1つのことを特別深く掘り下げるのではなく、全般的に様々なことを勉強します。だから何が違うのか、どんなことが強みなのか説明しづらいんです。
ありきたりかもしれませんが、私は、訪問看護認定看護師とは「ご利用者さまの痛みや生活のしにくさ、精神的なはがゆさなどを共に悩み、時には喜びも分かち合いながら、手を携えて歩んでいける人」だと思っています。もちろん認定看護師でなくともこれを実践している訪問看護師もいます。
ただ、私は勉強会や学会に積極的に参加し、常に自己研鑽を怠らないようにしています。認定看護師という名に恥じないように、進化を続けていきたいと思っています。
今後目指したいことを教えてください
四日市店の管理者としては、スタッフがやりがいを持てる、働きやすい職場を目指しています。訪問看護は目の前のご利用者さまと一緒に、私たちも笑顔になるのが一番いい形だと思っています。
そのためにはスタッフが心身共に安定した状態で「訪問看護がすごく楽しい」と思えることが大切です。その気持ちを大事にできる職場にしたいですね。
個人としては、年齢を重ねるごとに、少しでも地域の皆さまのお役に立ちたいという気持ちが強くなってきました。いくつになっても、目的意識や目標を持って新しいことに挑戦し続けていきたいと思っています。
かかりつけに興味がある方へ一言
かかりつけは若いスタッフが多く、私世代の人にとっては少し抵抗があるかもしれません。私も入職してから「ちょっとついていけないかも」と感じることもありました。でも若い人のエネルギッシュさや新たな取り組みには多くの刺激があり、私も大きな影響を受けています。
ベテランの人にはそれまでの人生や看護師の長い経験がありますし、若い人には新しい考えがあります。その2つが融合して、さらにいいものが生まれるといいなと思っています。
いくつであっても「ちょっと挑戦してみようかな」という気持ちがあれば、ぜひ挑戦してほしいですね。
困ったら助けてくれるサポート体制が整っているので、安心してきていただけたらと思います。
松下さん、ありがとうございました!
インタビュー:広報担当・野田 (看護師)
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