聞き書き(その八)『あの時のうまさが忘れられない』 

訪問看護ステーション名北

2022.01.04

みんなのかかりつけステーションの聞き書きケア


株式会社デザインケア・みんなのかかりつけ訪問看護ステーション、教育研修部です! 私たちの訪問看護ステーションでは、医療的なケアだけでなく、「聞き書き」というケアにも取り組んでいます。今回はシリーズ8回目。訪問スタッフによるJさまへの聞き書きをご紹介します。


『 あの時のうまさが忘れられない 』


語り手:利用者 Jさま
聞き手:みんなのかかりつけ訪問看護ステーション名北・看護師



私はね、あっちこっちで働いてたのよ。どこが住みやすかったかな。私には都会が住みにくかったかなー。 成人になる前には都会にいたんですよ。戦時中だったからね。


あの頃、全然眠れなかったなー。毎日、空襲がバンバン来てね。

防空壕?あれは、自分で自分の分を作るんだけど、空爆の直撃をくらったら意味がなくなっちゃうからね。だから、防空壕に荷物だけ入れて、身ひとつで逃げてたよ。

林に逃げていくんだけど、さて困った。周りの林が空襲で燃えてね。逃げ場がなくて、身動きがとれなかったことがあった。


そこに私と同じで逃げてきた4、5人おったんだけど、みんなで切り株に座って「もう燃えて死んだら死んだでしょうがない!」って朝が明けるのを待った。

まあ、朝には火が落ち着いて生きることができたけど、煙で目がやられたねー。


なんとか住んでたところに戻ると、あたり一面焼け野原だったな。

友人に再会して「あんたどこにいってたの?」と問われて、「いや、逃げてんたんだって!」と私は答えたよ。「そしたら、食べるものがないから探してきて!」って言われたさ。はは。


でもね、なーにもないんだわ。荷物を入れた防空壕もどこなのかも判らなくなる焼け野原なもんでね。

ただ、大豆があちこちに落ちていたから、空襲で残っていた火で、豆を湯がいて食べたんだわ。 あれはうまかったなー。

生きてるってこういうことなんだろうなと思ったよ。がははっ。あの豆の味は、今も忘れられんな。

(了)

【「聞き書き」のバックナンバー】
聞き書き(その七)「人を思いやる」
聞き書き(その六)「私の人生は恵まれました」
聞き書き(其の伍)「最期に1つだけ伝えたい」
聞き書き(其の四)「俺の人生、俺が決める」
聞き書き(其の参)「やりたいことがいっぱいある」
訪問看護で「聞き書き」に取り組んでる理由
聞き書き(其の弐)「介護生活とこれから」
訪問看護で「聞き書き」やってます
『訪問看護と介護』1月号で教育研修部が紹介されました

※掲載については、ご本人またはご家族の承諾を得たうえでご紹介しています
※聞き書きの内容は、個人が特定されないようアレンジしていることがあります


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